FC2ブログ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[--/--/-- --:--] | スポンサー広告 | page top
4-1「無疱疹性帯状疱疹(ZSH)の不全ハント症候群」と「ベル麻痺」の識別、抗ウイルス剤治療について…
 「不全ハント症候群」のことが少し気になりましたので調べてみました。

 私の場合は初診時に「ハント症候群」と診断されて、すぐに抗ウイルス剤とステロイド剤の治療を開始できましたが、ハント症候群では顔面神経麻痺を発症した時点で、はっきりと症状の揃っている「完全ハント症候群」は60%に満たないとされています。耳や口中の帯状疱疹は顔面神経麻痺に遅れて現れることがあり、麻痺発症後3日間は特に、最長2週間は観察が必要です。

 また、めまい・耳鳴・難聴や帯状疱疹が出ない場合もあり、これらを「不全ハント症候群」と称しています。医学書等によると、ハント症候群のうち最終的に帯状疱疹が出たものが全体の約80%、めまい・耳鳴・難聴等が現れたものが全体の約70%とされています。

 こうしたなかで、帯状疱疹が遅れて出る場合や、帯状疱疹が出ない「無疱疹性帯状疱疹(ZSH)の不全ハント症候群」と「ベル麻痺」の早期診断、識別が重視されています。

 顔面神経麻痺全体の60~70%を占める「ベル麻痺」は近年、単純ヘルペスウイルス1型:HSV-1(Herpes simplex virus type 1)の関与が示唆されていますが、臨床的診断により「ベル麻痺であろう」とされたうち、約20%は「ハント症候群」といわれています。この20%の多くは「無疱疹性帯状疱疹(ZSH)の不全ハント症候群」だと思われます。

 帯状疱疹ウイルスによるハント症候群か単純ヘルペスウイルス1型が関与するベル麻痺であるかは、ペア血清によるウイルス抗体検査でおよその判断ができますが、検査センターや病院の状況、検査回数等(初診時の血清検査で判定できた場合や、複数回の比較での判定等)により4日~3週間と時間を要し、結果的にハント症候群としての治療が後手に回ることが懸念されています。
 最近は発症早期でも、唾液(咽頭ぬぐい液)からのreal time PCR法(polymerase chain reaction)による診断で、無疱疹性ハント症候群(ZSH)の検索が可能になったようですが、保険適用外で全国どこでも検査できるものではないため、一般的には行われていないようです。(PCR診断は先に流行った新型インフルエンザの時にも使用され、簡易キットによる検査でA型インフルエンザウイルスが検出された場合、新型インフルエンザウイルスだと確定する必要がある場合に使われた診断法です。)
 現状では、帯状疱疹が出ていない場合、第八脳神経(聴神経)の障害である、めまい・耳鳴・難聴等の聴覚障害の有無により、ハント症候群を疑うようですが、前出のように、この症状が出る人が約70%とされ、個々の患者によって症状の現れ方や強弱の差が大きく、診断を困難なものにしています。

 それでは帯状疱疹ウイルスによる「ハント症候群」と単純ヘルペスウイルス1型が関与する「ベル麻痺」の治療の違いは何かというと、抗ウイルス剤の投与量の違いであるようです。
 通常の適応と用法は、抗ヘルペスウイルス剤の内服としては、アシクロビル錠(商品名:ゾビラックス錠)の場合、ベル麻痺で200mgを1日5回(計1000mg)、ハント症候群で800mgを1日5回(計4000mg)とされ、塩酸バラシクロビル錠(商品名:バルトレックス錠)の場合では、ベル麻痺で500mgを1日2回(計1000mg)、ハント症候群に対して1000mgを1日3回(計3000mg)とされていて、5~7日間の服用となっています。

 「ベル麻痺」のなかでハント症候群の可能性が疑われる場合の治療は、病院によって対処の仕方が違うようです。
 ステロイド治療を中心とする病院、ベル麻痺に準じた抗ウイルス剤とステロイド剤を使用する病院、どちらかはっきりするまではハント症候群に準じた抗ウイルス剤とステロイド治療を行う病院…と、さまざまなようです。

 もちろん個々の患者の年齢や病歴、糖尿病や腎障害の有無、副作用等も十分に考慮しなければなりませんが、患者側からすれば、ハント症候群の疑いが少しでもある場合には、最初からハント症候群に準じた抗ウイルス剤とステロイド剤の投与をして様子を見たら良いのでは…?とも思ってしまいます。

 釈然としない気持ちで調べてみると、「ベル麻痺(ZSHを含む)に対して抗ウイルス剤を使用するには、その一部に帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス1型の関与が明らかであること」という、保険適応上の定義や解釈の問題等もあるようです。

 ハント症候群であった場合、発症から1週間が抗ウイルス剤の有効な期間であり、特に発症3日以内に抗ウイルス剤の治療を始めることが重要とされています。ウイルス検査ではっきりさせている間に、治療の機会を逃してしまうような場合もあるのでしょうか…?

 「ベル麻痺(特発性片側性末梢性顔面神経麻痺)」の定義そのものが除外診断で、最終的に原因が特定できないものがベル麻痺とされます。そうであるならば単純ヘルペスウイルス1型が関与している顔面神経麻痺は、ウイルス性顔面神経麻痺として、ベル麻痺とは別な扱いにした方が良いように思います。

 インフルエンザウイルスが全国の医療機関で、保険適用の検査キットにより、その場でA型B型かが識別できるように、ウイルス性顔面神経麻痺の診断としてreal time PCR法が(真に有効であるならば)保険適用になり、帯状疱疹ウイルスか単純ヘルペスウイルス1型かを早期に検査するシステムが全国レベルでできればと思います(あるいは検査キットが)。

 同時に、ハント症候群が疑われる場合(グレーゾーン)の実状に合った、抗ウイルス剤とステロイド剤治療のガイドラインを提示し、患者にとって最も有益な治療をしていただきたいと願います。

スポンサーサイト
[2010/04/22 22:18] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top
<<3-5日記・顔面神経麻痺ほぼ完治か? | ホーム | 4-2電気診断法等と予後診断の必要性。顔面神経麻痺における患者心理について…>>
コメント
ZSHです
「無疱疹性帯状疱疹(ZSH)の不全ハント症候群、と本日診断されました。
顔面神経麻痺発症より15日目、33歳女です。

大変わかりやすく、ためになるブログで感動しています。

本日、しばらく休んでいた会社に退職希望を告げ、人生半分終わったようなもんだわ・・・と落ち込んでいた矢先にこちらブログにたどり着きました。

8年前にも現在と反対側でベル麻痺を患ったことがあります。(完治しています)
今回も水泡がまったく出現せず、発症当日より入院治療となりました。ベル麻痺の可能性が高いとの診断でした。
が、念のため、バルトレックス錠1000mgを1日3回(計3000mg)出していただいたため、隠れハントであったと判明した2週間目の今日、助かった・・・という感じです。

前回と今回とは私としては全く感覚が違います。今回はひどい頭痛から始まり、入院中には顔面が痛く、めまいもありました。めまいがある場合は水泡がなくともハントを疑った方がよいのかもしれませんね。

ベル麻痺か、単純ヘルペスによる麻痺か、ハント症候群か(またはその他か)を初めの診断で判別する手立てはないものでしょうか?顔面神経麻痺の症例が少ないせいでしょうか、様子見ないとわからないよね~と医者もとってもあいまいで、患者としてはかなり不安を感じます。

本日の診断も、「たぶん、ハントだね、ベル麻痺じゃないね、治りにくいね」くらいの軽い感じでした。ショック。

そして、「来週の診察時の状態を見て、手術の相談をしましょう」となりました。えええ手術。。。

ともたもさんは、手術について詳しいでしょうか??もしよろしければ教えていただければと思うのですが・・・。現在メリットデメリットを調べている途中ですが、いまいち情報量が少なく、手術に踏み切った方がよいのか判断できずにおります。
「顔面神経減荷手術」です。
手術後難聴になったという話もあり、恐ろしく・・・。ともたもさんのように、完全麻痺のハントでもいつか治るのであれば、できればリスクを冒したくないです。

ちなみに、私の麻痺の度合いは自己採点では6点という感じです。現在発症より15日目、入院中とまったく変化なしです。

よろしくお願いいたします。

[2012/07/18 02:12] URL | アイシャ #- [ 編集 ]
アイシャさんへ

ベル麻痺、ハント症候群の両方を経験することになられ、ご心痛のほどお察しいたします。
アイシャさんのおっしゃるとおり、今回のように疱疹がでていなくても、めまいや難聴などの第8脳神経症状がある場合はハント症候群を疑った方が良いようです。現在の病院で、顔面神経麻痺発症当日からの入院治療と、念のためにと、ハント症候群に準じた抗ウイルス薬を最初から開始できたのは、アイシャさんが前回罹患されたベル麻痺の経験が活かされたことと、病院、医師側の適切な対応があってこそだと思います。

「顔面神経減荷術」につきましては以前、別の方からのコメントの質問にお返事したことがありますが、少し補足して記してみます。私はこの手術を受けていませんし、医療関係者でもありませんので、一般的な医学書に載っている事等が中心となりますのをご了承ください。
顔面神経麻痺の治療は、医療機関や医師の治療方針で内容が変わりますので、「顔面神経減荷術」等がどこでも標準的に行なわれているわけではありませんし、効果が保障されるものでもなく、さまざまな意見があります。

●早期顔面神経減荷術(急性期減荷術)
神経の障害(変性)を抑えることを目的として、ワーラー変性が完成される麻痺発症2週間以内(できるだけ早期に行なうことが理想とされますが、発症3週間以内までとする意見もあるようです)に行なわれることがある手術です。
発症早期に麻痺スコア(柳原法等)が完全麻痺(8点以下)や誘発筋電図検査(ENoG値10%以下)等で予後不良と診断された場合に適応が検討される場合があります。
減荷術は耳周囲(頭部側)の皮膚を切開後、側頭骨内にある顔面神経管の骨を削り、炎症により腫れあがった顔面神経を露出させることで、硬くて狭い骨性顔面神経管の中から神経を開放させます。減荷範囲に関しては意見が分かれ、術式も変わり開頭を要する場合もあります。さらに神経内圧を減少させるために神経鞘の切開をする場合もあります。
これらの減荷手術は更なる神経障害(変性)の防止と、麻痺の改善に有効と報告されていますが統一した見解はなく、リスク等も考えると賛否両論があるというのが現状のようです。

●晩期顔面神経減荷術(亜急性期減荷術)
ワーラー変性が終わったあとになるため、神経再生の促進を目的として、麻痺発症3週目以降~3ヵ月以内に行なわれることがあります。保存的治療(ステロイド・抗ウイルス剤等の薬物療法)で改善のみられない場合で、予後不良と判定された症例が適応の目安となり、検討される場合があるようです。減荷範囲は早期顔面神経減荷術と同じですが、晩期では、膝神経節周囲の神経浮腫が消退していることも多く、末梢の水平部と垂直部のみの開放で良いのではないかという意見もあるようです。これらもまた統一した見解はありません。

アイシャさんは以前にも顔面神経麻痺を経験しておられ、そうした知識もありますので、あえて私個人の感じたことを少し述べさせていただきます。

手術の時期についてですが、「来週の診察時の状態を見て、手術の相談をしましょう」と医師から言われたようですが、そうなると、実際の手術の日時は発症2週間以内に行なわれる「早期顔面神経減荷術」ではないということになります。神経の変性は終わっていますので、「晩期顔面神経減荷術」での手術の効果としては神経の再生の促進が中心になります。顔面神経減荷術では、手術の時期が遅くなるほど有効性は低くなると考えられます。医学書や医療機関、医師によっては「早期」「晩期」との分け方をせず、「早期顔面神経減荷術」のみを「顔面神経減荷術」としている場合もあるようです。

顔面神経麻痺の手術療法では、個々の患者の病態が一様でなく、神経の障害の程度が把握しづらいため確立された治療法はなく、術式などの違いや施術者によっても結果に違いが出ること等が懸念され、効果がはっきりと予測できるエビデンスレベルの高い推薦を得られている治療法はきわめて少ないというのが現状です。

まずは検査の結果で、顔面神経減荷術の適応の範囲かどうかでしょうが、そのほかには「星状神経節ブロック」療法を担当医師とご相談されてみてはと思います。

いずれの場合も医療機関や医師の治療方針等により、患者との十分なインフォームド・コンセント(医療行為に対しての目的や内容、リスクや副作用等の説明がなされ、患者が十分に理解し、治療方針に合意、または拒否すること)がされた上で、医師と患者がお互いに信頼して今後の治療を進めることが重要です。少しでも疑問に思う事は納得のいくまで担当医師に確認・相談をしてください。

2度も顔面神経麻痺になられたのですから、ご自分の健康管理を見直すこともたいせつです。ストレスや疲労を溜めないよう無理をなさらずおだいじにしてください。
   ともたも
[2012/07/20 17:01] URL | ともたも #jHeKTQwA [ 編集 ]
コメントありがとうございます
ともたもさん

お忙しい中、丁寧な解説とご意見をいただきましてありがとうございます。

発症より2週間を過ぎ、神経の変性は終わっているとのこと。3週間を過ぎるとすでに晩期顔面神経減荷術にになるのですね。

発症よりまもなく3週間となりますが、依然麻痺の症状に変わりはありません。
麻痺側の唇に少し力が入るようになり、液体がこぼれることがなくなった程度ですので
手術は勧められると思われます。

医師より納得のいく説明がされれば手術に踏み切るかもしれませんが、効果、合併症など
疑問が残るようでしたら手術は見送るつもりです。

「星状神経節ブロック」療法、興味がありますので医師に相談してみたいと思います。

ストレスや疲労をためない・・・難しいですね。自分の限界が未だにわかっていないようで・・・。しばらく静養して生活の立て直しを図りたいと思います。

次回の診察前に返信をいただき、気持ちが落ち着きました。どうもありがとうございました。

アイシャ
[2012/07/21 14:27] URL | アイシャ #- [ 編集 ]
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://tomotamo.blog48.fc2.com/tb.php/8-5bf3b4ab
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。